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コンプレックスが強い男とマウントを取りたい女の生態 バチェラー3 感想

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物議しかよんでいないAmazon プライムで配信された『バチェラー・ジャパン シーズン3』の最終話と後日談。

私もこの週末を無駄なイライラと共に過ごしました。ツイットしすぎてめっちゃリムられたし、まぁあれだけブツクサ言ったので、ブログにもまとめておきましょう。

バチャラーとはみたいな部分は全部割愛します。自分で調べてくれ!

 

噛み合わない男と女。「恋」していない側の冷徹さ。

シーズン後半に差し掛かるにつれ、バチェラーのぶどう農家 岩間恵さんへの気持ちはどんどん暴走していきます。正直「何がそんなによかったのか?」と疑問が沸くくらい、岩間さんは何もしていない。バチェラーとの間に感情のやりとりが発生しているように見えるイベントはありません。

バチェラーは、もう理由も何もなく、とにかく「恵が好き!」というモードに入ってしまっており感情が暴走していてロジックが破綻しています。逆に恋愛感情がない恵さん側の方が冷静なので、端々に「この人何を言っているんだ?」という感情が表れる点が、二人の心の距離を表しているように思いました。

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ep12で「2人が一緒になるうえではどちらかが折れなきゃ」という言葉へのこの顔

正直な気持ちと、力関係の確認と、「選ぶべきか?」という打算

岩間さんは初回のファーストローズを渡されて以降、ほぼデートがなく「気に入られているだろう」という自信と現実のギャップ、しかしずっとローズは渡されることで気持ちがグラついたのでしょう。いくら「君が本命!」とバチェラーが心に決めていても、そんなの恵さん側からしたら「知らねぇ」でしかありません。

バチェラー側としては「絶対に最後まで残す枠」として決まっていたので放置だったことがep7で語られますが、そうは言っても彼女もお人形じゃないので、自分の気持ちを蔑ろにされたことには静かに怒りをためていたように思えます。ずっと「他の女とのデートを見せつけられ続ける」という点も、彼女のプライドを傷つけまくったのでしょう。

その象徴のように、後半からはバチェラーに対して率直すぎる言葉を放ち、その都度バチェラーが動揺するシーンが見られました。

  • ep6で「どう思っているか、正直わからない」
  • ep8で「神戸にすぐには行けない」
  • ep9で「関東で育っているので神戸というのは不安がある」
  • ep11で「人としては好き、だけど恋愛感情ではない」

これらの言葉が出た理由は大きくは3つあるとみています。

  1. そもそもコイツと決定的に合わなくないか?という純粋な疑問
  2. 自分の不満をぶつけて、バチェラーが折れればラッキーという力関係争い
  3. 自分は恋愛感情ではないため、切られたまぁ仕方がない的な諦念

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    一緒に食事を楽しみたい。根底の部分がシェアできないことに気がついた瞬間。

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「大事にしたい」部分を「食の好みなんてどうでもいい。小さいこと」という男。

彼女が言う言葉が全て計算とは思えませんでしたが、これら3つの感情が渦巻いていたのかなと思います。

要はずっと残っているけれども一方的に気持ちを押し付けられている状況でもあったので、それはそれで彼女にとっては不満・不安があってもおかしくはありません。

バチェラーのコンプレックスと思考の癖

私はバチェラー1からずっとリアタイ視聴組なのですが、いわゆる高スペック男性であるバチェラーの気持ちが非常に揺れ動くのが、後半に現れる「家族との対面」と「家族からの意見」です。

良くも悪くも、家族からの影響度合いが強い保守的な男性陣は、「親に選んだ女性が気に入られて欲しい」という気持ちと「自分の意思と家族の意見が違った時」において非常に大きく感情を揺さぶられます。

今回の友永氏は、一番露骨な形でそれが出ました。ep6でお気に入りだった濱崎麻莉亜さんが落とされたのは「コンプレックスである仕事の話に触れたから」というのが大方の見方でしたが、確信に変わった瞬間でもありました(また、父親の面影を求められてる感が重かった可能性もあります)

家族のシーンを見ると、兄に対するコンプレックスが強いことを感じられました。父親は歳が離れていることもあり、あまり強く言う雰囲気はありませんでしたが、兄による各女性と信也の距離感の分析は秀逸でした。

会社に関しても父や叔父の手伝いがメインであることが伝わってきており、「何者にもなれない自分」という強烈なコンプレックスをこじらせている様が画面越しにも伝わってきました。

ご家族は非常にフラットな方々で、彼をつまはじきにするようなことはなかったのでしょうが、こればっかりは自分の問題なので、32歳になっても「家族」と「自分」というコンプレックスを乗り越えられていない点は、今回のバチェラーで見せた彼の幼児性ともリンクしているように見受けられました。

「理想の女性」を掴みとれないかったのは、彼の弱さが原因

 ep7まで、恵さんと2強に見えた野原遥さんでしたが、ep9のバチェラー実家訪問では画面越しにわかるほどバチェラーと遥さんの間に溝が見え、それは兄にも指摘されていました。結果、ep9では本命候補にみられた野原遥さんが落とされましたが、ep10で語られたその理由は「遥さんが完璧すぎて、その完璧な彼女に飲まれてしまった」とのことでした。

遥さんは後半につれて「強い部分」が強調されてしまっていたのですが、全体的にみて「しっかりはしてるものの、いい意味でのゆるさ」がある女性だったので、恵さんが勝手に「最高の女」になっているように、友永さんの中の「遥」像ができてしまった結果かなと思いました。

バチェラーがうわごとのように繰り返す「遥はほんまに強いなぁ」という言葉は呪詛か!?と話題になりましたし、当の遥さんがたまらず「いや、そんな強くないけどね」と返すシーンもありました。ちなみに信也は無視して「いや、強いよ」とかぶせてました。

彼が野原さんに惹かれていたのは間違いなく、補完し合える関係なのかなと思ってみていました。バチェラーの妙なところを、野原さんは素で気にしていないように見えたからです。

しかし、そんな「芯の強い女性」という当初の理想をそのままに女性を選んでしまうと、相手にそんなつもりは1mmもなくても「自分を攻撃してくる脅威」と捉えてしまったあたりに、彼の脆弱性が出ています。ここで「一緒に成長」という方向に振り切れればよかったのですが、おそらく「完全に格上」と認識してしまう部分があったのでしょう。
papapico.hatenablog.com

 「人と向き合わず、自分の中の理想像や他人像を押し付ける」という傾向は、遥さんに限らず、ep11での恵さんとの噛み合わない食事の件と、水田さんをフった後のep12に思う存分出ていたといえます。

思い込みの激しさと、非を認められない幼児性

いわゆる「モラハラ」言われる男性の仕草に初手から気がつくのが困難と言われるように、友永氏も前半と後半では本人の言動にずいぶんとギャップがあったように見えます。

これは我々が「番組」を通して俯瞰で見れているからわかる点であって、当事者の中にいると「あれ?」と思ってもそれをすぐに見抜くのは難しいかと思います。

■前半

  • 自分の意見をしっかりと持ち、信念がある男性
  • 「結婚」をはっきりと意識して搭乗し、パートナー像がはっきりしている
  • 過去の恋愛はうまくいかなかった故に、恋愛優先ではなく結婚を重視

■後半

  • 思い込みが強く、相手との距離や考えのすり合わせができない男性
  • 「結婚」で始まったはずが、結局「恋愛」の優先度をあげてしまっている
  • 過去の恋愛でうまくいかなかったことそのままに、恋愛をしてしまっている

人間だもの。

といいたいところですが、彼の面倒な点は「頑固」で「自分がやると思ったら我慢ができない」ところから、結局周囲を巻き込みながらダメージが大きい形を選んでしまう点です。

彼の幼児性&暴力性部分が露呈したのは、後日談のep12です。

「水田さんと付き合っている時に恵さんのところに会いに行っていた」という完全に「不貞」が発覚した瞬間に、「それはだめでしょう」と苦言を呈した田尻さんに、即反論しようとした目が血走ったバチェラーは率直に怖かったです。

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ドン引きする田尻さん。この後のバチェラーがまじで怖かった。

「僕の恵さんへの思いは最後の5分で語れるようなものではないんです」と語っていましたが、完全にルール違反をしたのは自分なので、そこで正当性を主張することに意味もないし、資格もない。そこを引き受ける覚悟がないのであれば出てくるな、というのは正直な気持ちです。

「惜しい」という感情と、「選ばれた私」というシチュエーション

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「私が勝者です」という顔が出ちゃってるよ・・・・・・

恵さんは、「惜しくなった」とみています

今は友永さんを愛していますと語っていましたが、「好きだ好きだと言われて、無理をいっても飲んできた男が最後には自分以外を選んだが、私を忘れられないと必死にアタックしてきた。」というシチュエーション込みで心が動いたのでしょう。それ自体は性癖なのでしょうがないね!と言う以外ありませんが、「好き」が他人を巻き込んで成立するのは難儀だなぁと外野は感じます。

明らかに「合わない」ことを自覚していたのは恵さんのほうだったので、彼女がそこから友永さんを恋愛的に好きになることってあるか?というと、ないでしょう。「惜しい」という以外の感情では。

  • 好みをあわせて欲しいわけではなく、自然と好きなものを共有したい
  • 好きになりたいとはずっと思っていた
  • 好きになろう、好きになりたいって思っていても、恋愛感情ではない

彼女ははっきりと「合わない」「好きになっていない」というのを言葉でも態度でも表情でも示していました。それは、生理的な部分の話なので、時間が経とうがどうしようが覆るタイプのものではありません。

 

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どっちが主役だっけ?という最終シーン。すぐに恵さんに駆け寄ったバチェラー。

彼女はこの最後を契機に、「惜しくなった」感情をむき出しにしています。

  • すごく好きだった、めちゃくちゃ好きだったといわれたのはびっくりして複雑な気持ちです
  • 特別だったしその人がいなくなったと思うと喪失感がある

「好きだったといわれたのはびっくりした」とは流石に無理が?と思います。彼女の悩みは友永さんを好きになれない自分に対する悩みだったからです。「まぁ、めっちゃ好かれているし、私はそこまでじゃないけど、う~ん・・・・・・。ここまで言ってくれるなら好きになれるかな~~~~でもな~~~~」

 

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クダを巻く指原さん(視聴者代表)

隠し切れない自己顕示欲

恵さんは、「彼の一途な気持ちが」「まっすぐぶつけてくれて」「バチェラー中は、不安やプレッシャーで判断だきなくて」など、自分が「好かれた側として、どうしようもなかった」的なふるまいをしていましたが、ルール違反をしているのは彼女もいっしょで共犯者です。

新地10年、本職のホステスの笑みが本当に崩れない横で、端々に「私です」という表情が出てしまっているあたりは、完全に「格の違い」という感じではありましたが。

信也が気持ちを抑えられず水田さんとの関係にケリをつけずにアプローチしてきたことは彼の問題です。しかし、別の人と付き合っているのを知っていながら連絡を取り続ける、実家凸してきた人を招き入れる……などは恵さんの選択です。

他人に勝ちたい男と女、と言う意味では非常にぴったりの組合せなのかなと思います。

追いかけたいのは男の性・・・・・・的に語るのはやめろ

さかんに男性陣が「いやでもわかるわー」と庇ってましたが、「男だったら」じゃない点はいつだって主語を大きくするなよ?と思うなどしました。ナイナイの矢部さんは「追われたいから、安心感があると2番目の女になる」といってましたが、こういった「外向け」「いい男ぶりたい」発言はスルーすべきだなとより強く思いました。

MC上、全員でバチェラーを袋叩きにはできないという部分もあったとは思いますが、中途半端に「しょうがないよね」とまとめるのは厳しいなぁと思われました。

歴代バチェラー至上、女性陣が魅力的だった!

とにかく水田さんには幸せになってほしい!あと遥、強い強い言われてたけどかわいくて大好きだったよ!女性陣がとても魅力的だったので、全体としては面白かったです。この面子で小柳津さんあたりだったら、めちゃくちゃいい感じに仕上がったのでは?という気持ちがあります。

久保さんはソツがなさすぎて、小柳津さんはまっすぐで、「面白み」という点では欠けたのも事実なので、やはり信也のような熱血バカ一代的な、後先考えない人だからこその盛り上がりはあったと思います。

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