「なんで欲しくないの?」と聞かれたら「なんで欲しいの?」と答えるくらい、私には「子供が欲しい」という自発的な感情がない。
その欲望がゴソっと抜けている。
欲望もなければ「産む」という義務感に縛られたり、「親のために…」という意識もないため「特に欲しくない」というコメントに帰結するのはごくごく自然なことである。
よく「子供がいなくて夫とだけで家庭はまわらない」とか「老後寂しくなる」説もあるが、自分と周囲を見ていて確かに「子がかすがい」となったケースもあるが、「子供を理由に離婚しない親の呪縛」ケースも多くあることを知っている。どちらに転ぶかは、誰にもわからない。
かつ周囲に「子供なし夫婦」で長年仲良くやっているご夫婦も5組は存じ上げており、「結婚生活を維持する装置としての子供」という考え方にはいささか疑問がある。
他人の人生に土足で入りこむ人々
先日、飲み屋で飲んでいて、結婚している話から子供の話になり、「子供欲しくないんですよね~」と何気なく言ったところ「子供は産んでおくべき」「絶対に持ったほうがいい」と赤の他人にご高説賜った。
正直クソくらえだが、「結婚したくないが子供は欲しい」という声は比較的聞かれるものの「結婚はしたいが子供は欲しくない」層の話はあまり出てこないので、世間様の風当たりは強い of 強い。
「絶対産んだらかわいいよ」
「子供嫌いなの?自分の子供はかわいいよ!」
「女として生まれたなら子供は産んだほうがいい」
「欲しくないって旦那さんかわいそうじゃないの?」
「老後寂しいよ」
こんなコメントをいただくのだがそのどれも全部ピンとこない。
特に「絶対産んだらかわいい」という言葉、めちゃくちゃ怖いのですけども大丈夫ですか?出産は不可逆なので、出産してかわいくなかったら赤ちゃんポストにでも入れろと言うのか?とクエスチョンマークしか出てこないし、「女の本能」説は「戦闘は男の本能だから、男に生まれたからには兵役につくべきだ」と唱えるのと同等だと思っているし、夫がかわいそうかどうかは関係ないし、「老後のため」と子供を装置にする気はさらさらない。
全部打ち返すのですが、絶対に「後悔するよ」と言われる。
正直、後悔するかしないかは最後の時にならないとわからないのであなたは神か?としか言えない。
子供嫌いではない。絶対に産まないと決めてもいない。でもいらない。
私は子供は嫌いじゃない。
かわいいと思うし、甥や姪をみると「天使かな!?」と思う。しかしその「かわいいいいいい」が「産みたい私も欲しい!」に繋がらないだけなのだ。
母性とやらで女が無条件に「産みたい」と思うようにできているのならば、ちょっと母性を胎盤に忘れてきたんだと思う。
先に触れたように「自発的な産みたい願望」が皆無ではあるが、子供は嫌いではないし、夫が絶対に絶対に死ぬほど欲しい!と言うなら考えはするけども...という超消極派である。
もちろん年齢的なこともあるので、夫とは話合って出した結論ではあるが、彼の気持ちが変わるかもしれないし、私の気持ちが変わるかもしれない。その時に「後悔」するかもしれない。
だが、それは誰にもわからないし、今選択したことが「きちんと考えて選択したこと」ということしか担保できない。それは人生全般に当てはまる。
欲がない人間に現状の育児がハードモードすぎる件
では、そんな自分がどうしたら「ためしてみよう」と思えるかというと、この前ツイットした内容になる。
共働き育児、ある程度世帯年収あると認可保育園はそもそも選択肢から外れるし、片方の給与を投資とわりきって外注費にぶっこまないと無理だし、どんどん持てる者のパワーゲームとなっていて、そんなん国滅びるやろ全体的に貧しくなっていっているのにと思う。
— ぱぴこ (@inucococo) 2018年2月8日
私は子供は別に欲しくはないんだけど、産んでみようって思えるとしたら「子育てに不安のない金銭的な補助やスキームが構築されている」だと思う。強固に欲しくないというよりは欲しい欲がない上に博打度が高く、ハードモードな子育てをやる情熱がないって感じ。
— ぱぴこ (@inucococo) 2018年2月8日
心の底から「欲しい!」と思う人は、その感情だけで突き進めるだろう。
得てして物事はそんなつくりになっている。
だが、私のように「基本的にいらないが、制度が整っているならば考えてもいい」という消極派にとっては、今の保育を取り巻く状況はあまりにもハードモードすぎて「うーんだったら税金を納めるかな…」というお気持ちになってしまう。
私は子供が欲しくない。
私が「欲しくない」と思い、それを実行することは私の自由なので、もちろんそれに対して「子供はいいものだよ」と言うのも自由ではある。
しかし、まぁ鬼の首を取ったように責め立てられ「女の本能」「絶対に後悔する」「産んだらかわいい」と断定口調で呪われるのには正直辟易しているし、過剰な母性信仰は様々な面で歪みのもとになるのでなくなれと思っている。
結婚出産キャリアと現代女性を取り巻く問題は数多く、その中でクソリプをいただくことがとても多くて本当に疲れるけど強く生きてこうね!
大人には大人の楽しみがあるし。
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