つらさとエモさが秋風と宇多田ヒカルで爆発したので書き残そうと思ってブログを開いてしまったよ……。多くが自分語りになってしまいますが、メッセージとしては、「壊れる前に逃げろ。全力疾走で。」一点です。
過労死という地獄
とても痛ましい事件が起こってしまいました。東大卒の新入社員女子であった高橋まつりさんが、激務の末、自ら命を絶ったというニュースです。
彼女の経歴が華々しかったことや、若い女性であったこと、そして彼女が生前ツイッターに激務っぷりを呟いていたこともあり、注目を集めています。私も彼女のツイッターを見て、何とも言えない心の奥がぎゅっと締まる気持ちを感じました。
当該アカウントは現在鍵がかけられてしまい確認できませんが、下記記事やまとめ記事などでは読むことが可能です。
「手段を講じることができたのでは?」という愚問
全ての状況が同じではありませんが、私も似たような状況で激闘の末、休職した時があります。
- ピーク時は2~4時間睡眠。終電帰りは当たり前。22時台に帰れば奇跡。
- 休日出勤もあり(半年以上仕事上の人間以外と遊ぶなどの記憶はなし)
- 顧客から無用に抱きつかれる、迫られる、触られるなどのセクハラ
- 問題を訴えても現場上長に「そんなことで」と軽くあしらわれる理不尽
- 女性上司からの事実に基づかない悪口、仕事上での嫌がらせ(成果物の無視、自分の成果を他人の成果として評価)
- 部下が客先で居眠り・報告しない・ミスを隠すなどの超問題児
これらが全部重なって起きるというアンラッキーの極みのようなことがありました。
私の仕事は、現場の上長と自分の部門マネージャーが違うこともあり、報告・相談・エスカレーションの対象が無用に多く、順を踏まずに下手を打つと状況への不安・不満を訴える自分側が「悪者」として扱われるかもしれないと非常に怖かったことを覚えています(そして事実、手順を踏まないとそうなる確率は高いと思います)
これらが個別で起こっていればひとつひとつ潰すこともできたかもしれません。
でも、1日24時間中20時間以上働いていて、そんなリソース、ない。どこにも見当たらない。
「あ、私死ぬかもしれない」と思ったあの日
そうは言っても泣き寝入りは嫌だったので、当該アサインを外してもらったり、HRやリーガルへエスカレーションしていました。しかし、ただでさえ責任とスピードが求められる案件の中、「仕事以外のことで工数を取られる」ことも「それらを潰して処理すること」ことも苦痛かつ、精神的にも物理的にも負担でした。
そしてこれらの問題はあくまで私個人及び社内の問題であり、顧客にはまったく関係ありません。個人的な問題でアウトプット品質を落とすわけにもいかないし、何より自分自身が「こんなことに自分のキャリアの足を引っ張られたくない」と強く思っていました。
結果、今までの仕事量は変わらず、より社内対応のため余分な工数がかさむという悪循環に陥ります。そして当然ですが、自分に降りかかっている様々なマイナス因子で神経はすり減られていきます。
そうすると何が起こるか?私の場合は、「仕事に関係のない日常生活で信じられないミスをする」という事態に陥りました。具体的には下記です。
- お金を払った後の商品を受け取らずに店を出る
- 信号を見間違えて赤信号の歩道を渡ろうとする
- ふとした瞬間に階段を踏み外して転がり落ちそうになる
- なくし物や落し物が異常に増える(財布、携帯など)
- まったく眠れなくなり、常に覚醒状態
- トリガーがない状態で泣き続ける(直接何かを言われる、失敗するなどではない)
こういった意味のわからないミスを起こし、かつその間隔が短くなっていくのがわかりました。そして何がきっかけはわかりませんが「あ、これうっかり車に引かれるとかして私死ぬかもな」と、ふと思ったことを覚えています。死にたい・消えたいと自発的に思ったことはなかったですが、「うっかり明日死んでもおかしくないなー」という感覚でした。
理不尽さに晒されると人は病む
私は、純粋な激務のみによってメンタルを病んだことはありませんが、それはその激務案件が非常に恵まれていたからです。
- ゴールが決まっており、なぜ今稼動が上がっているのかという背景が解っている
- 期限が決まっており、「ここまで頑張ればOK」というエンドがある
- 新しいことにチャレンジする案件であり、成長に繋がる確信があった
- カウンターの顧客が優秀であり、自分のチームメンバーも優秀であった
- 顧客・所属組織の人間ともに非常に仲が良く、居心地がよかった
恵まれてた案件だな~といまだに思うのですが、書きだしてみてわかるように、環境に理不尽がないことがわかります。私が病んだ時も「なんでこんな目に合うんだ」「なぜ私が?」という理不尽に対する怒りや悲しみが精神を揺らがせていました。
逆に言うと、長時間労働をしていなくても人は「理不尽さ」を感じながら仕事をすると簡単に病みます。事実、私が新卒時に軽く病んだ時は業務上の勤務時間は定時でめっちゃホワイトな時でした。
端的に言って病むか病まないかは「運」です
はっきり言って、業務上でメンタルをやられるかどうかは運の要素が非常に大きい。もちろん個々人のメンタル強度というのは存在しますが、ここまで見たように病むときの理由は単体であることは非常にまれで、複合要素で成り立つため、いかにそういった外部依存のイベントが起きないでいられるか、というのは運です。巡りあわせってやつですね。
人との相性や案件の相性はあるので、Aさんがずっと病まなかったのはAさんが病む要素を含むイベントがたまたま起こらなかったからに過ぎません。
アンラッキーイベントの渦中にいる時は「なぜ自分が」と打ちひしがれると思いますが、もうこれは「引きが悪かった」と思うしかないです。そしてその泥沼イベントから脱出するには一番てっとりばやいのが休職です。
大事なことなのでもう一度言います。
手軽で気軽なリセットボタンは、休職です。
社内に配置換えを希望しても大抵「もうちょっと頑張れ」「君にも悪い点が」「あちらも気を付けると言っている」などの玉虫色の回答で余計にメンタルをやられることうけあい。そんなに簡単にすまねーだろ!と思いますが、この回答と対応は周囲を見回しても非常に多いです。
その点、休職は一応給付金もいただけますし(事務手続きが休職者には地獄のように重いけど)、復帰した時に「嫌な上司、問題の環境」から合法的にイクジットできる確率がめっちゃ高い。
そして復帰して1年程度務めたあとに、耐えられなかったら転職すればいいです。その頃には告知義務の期間はだいたい過ぎてます(1年いないの休職などについては聞かれる&源泉徴収でわかる可能性が高いので)
「仕事」の担当者には変わりがきく
漫画サプリの中に「サラリーマンとは死なないためのシステム」という台詞がありますが、本当にそれにつきます。欠けた穴を埋められるのが企業であり、抜けても周る巨大システムなのです。すごく仕事ができる人で「この人がいないと」と言われている人であっても、抜けたら抜けた状態で回さなきゃいけないので、究極的に言ってしまえば「いなくなったら回らない」なんてことはありません。
生きていれば、転部も転職も、労基に訴えて企業から金ぶんどることも、対象者を裁判で追い込むこともできます。でも、死んだら適当に「可哀そうに」とか言われて終わります。
死ぬ前に、まじで休もう。
薬で散らすのには限界があって、人が本当に病んだ時は、もう休息することで活力を取り戻すしかありません。その判断さえできないから自殺してしまうという構造は非常によくわかりますが、「休む」という切り札を使えることを頭に叩き込んでいただきたい。
手段を知っているだけで、人はいざという時にそれを実行できます。
知らないと、自分の感情に引きずられて、突発的に死を選ぶ以外の選択肢を失うことがあります。
怖い気持ちは解ります。私も絶対に休みたくなかったです。大きな案件を任され、評価がよく、なんとか乗り越えれば、100%次の評価では昇進というタイミングでした。でも「あ、もうこれは無理だわ。死ぬわ、私」と思ったとき、速攻で休みました。当たり前に「休まなかった自分と同じ人生」は歩めません。
でも死ぬよりましだし、死ななきゃなんとかなります。私も図太く上層部にまでケンカ売った企業でいまだに働いています(もっとやればよかったけど気力がなかった)
病んだら休む。
死ぬ前に休む。
人は壊れるということを叩き込む。
これを忘れずにいて欲しいです。
◎きっかけなく涙が出るようになるのは末期だよ
これは私も含め、周囲でよく見られる傾向ですが「直接的なイベントがなく、涙が出る」ようになった時って、割と精神疲労が末期なので、「こんなことでへこたれるなんて社会人としてだめ」とか思わず、とりあえずお休みしたほうがいいです。休みの長さは状況によりますが・・・。 https://t.co/qTgezW3RjV
— ぱぴこ (@inucococo) 2019年2月19日
突発的に辞めちゃうよりは、とりあえず休職からの部署異動とかが実効性が高いと思います。上司への相談→即異動ってさせてもらえなかったりしますので。会社の規模とか状況によるので、本当に正解はないのですが、自分ファーストにしてね。なんのための正社員かって話なので。
— ぱぴこ (@inucococo) 2019年2月19日
俺のエモをが火を噴くぜ!
働く女のバイブル。だいたいのことはサプリに書いてある魔法の漫画。昔は最後の藤井の選択がわからなかったものの、アラサーになると「正解だよね?」と思うなど、読む年代によって本当に感想が変わるので、定期的に読み返す。