日本一稼ぐ(自称)の弁護士のツイートが発端となり燃えている。
当該ツイートは既に削除されているので、ここにスクショなどを掲載することは避けるけれど、概要はこんな感じである。
女子大生13名を自宅に招き、寿司職人にその場で握ってもらう寿司をつまみに人狼ゲームをします。夜にはさらに同級生が多くの友達を呼んでくれて、合流する予定です。
<該当女子大生たちの顔出し写真つき>
10億稼いでもやることがこれって・・・・・・というセンスのなさに対するコメントや、 パパ活予備軍だという言説やら、女子大生たちのヴィジュアルへの言及やらと色々と出てきている。
私はこれを最初に見た時に、以下の3つの観点から彼女たちに同情的な気持ちになった。
- 「THE港区パリピウェイ」的な写真ではないこと
- 人数の多さ+昼の時間帯であること
- 声かけがない状態で取られた写真であると推察されること
逆に、男性に対しては論理的ではないが生理的な嫌悪感が瞬間的に湧き上がった。「女子大生に囲まれ、さらに人数が増える状況」への勝ち誇ったニュアンスや、それが「うらやましがられるものだ」と信じている様子に対する否定的な感情からだ。
そのため、弁護士側にたいする「うわぁ」という絶妙な気持ち悪さはあれど、女の子たちに対する感情としてあったのは「かわいそうに」という種類のものだった。
例の弁護士寿司JD、おそらく勝手にうpられて被弾した子達がかわいそうだなーって思ってRTは避けてる。見た感じキラキラでもなんでもない普通な感じで。誰かが弁護士オジサンと繋がって「お寿司食べられるしいこーよ」的な感じで集っちゃったんだろうな。お誘い的&食事界、私がJD時代にもあったし。
— ぱぴこ (@inucococo) 2019年8月4日
ちょうど昨日も話題になったけど、今なら「時間>>>(越えられない壁)>>>お金」なんだけど、若い頃は暇だし体力もあるしなんか目先のお金のなさが今の比じゃないので「お金」が行動指針にあったよねっていう。人数も多くて昼だしと思うと、そんなに倫理観ぶっこわれた行動でもないと思う。
— ぱぴこ (@inucococo) 2019年8月4日
彼女たちは「叩かれて」しかるべきなのか
一部男性が彼女たちに対し、男性に食事を提供してもらうことを見返りとして”ほいほい”ついていくことや、危機管理能力のなさを揶揄して「品性も常識もなく、心も財布も貧しい女子大生」という表現をし、それに賛同するような意見も見られた。
ここはツイッターランド☆虚構の世界☆であるとはいえ、この「若い女子に何か言いたい人」というのは、現実社会にも多くいる。
若い女と見ると叩きにかかるおじさん、現実社会でもわりといらっしゃるので消えてほしいなって思います。いや違うだろっていうのは現実社会でも言っていきたいです。
— ぱぴこ (@inucococo) 2019年8月4日
今回に関しては、(おそらく)無断で写真を上げられた彼女たちは、会の目的から言ってもそこまでボロクソに言われる必要があるのか?というと、私はないと思う。
この件に関してはトイアンナさんのツイートがだいぶしっくりくる。
弁護士の周りにガムテの名札貼って人狼やってた女子大生には何の問題もないでしょ。18歳で「ねえすっごいお金持ちの弁護士がさ、寿司職人呼んで10人くらい集めて寿司パーティすんだって!?行く!?」って言われたら大抵の大学生は「ひゃ〜〜〜!!行く〜〜!!」ってなるだろ。
— トイアンナ (@10anj10) 2019年8月4日
上記に対して「そんなところに行くやつは頭がおかしい」「目先の金銭で将来の大切なことを失っている」というのは簡単だが、18~22歳の学生が「友達に誘われて、普段はちょっとできない体験をする」ことへの興味が沸いて、出かけたいと思うことは十分にある。
危機意識が低い、というのは正論だが、「友人が複数人いる」「昼間」「メディアに出ている所属がわかる人間」という条件に安心感を覚えた学生がいることも想像にたやすい。
「悪い女」はぶった切ってよい?
先日、レペゼン地球一味が「セクハラ・パワハラ」をでっち上げた動画が出た後、首謀者であるDJ社長ではなく、ジャスミンゆまがぶったたかれる形になった。
その後別のYoutuberによって「世間を騙した女にパワハラする」と題した、彼女を一方的にピコピコハンマーで叩く動画が公開され、どこから見ても「胸糞」としかいえなかった。
あの図は胸糞だが、「悪いことをした女を俺様が正してやる」という構図は、ぞっとするほどよくある図で、今回もよってたかって「女子大生」の品性を疑問視する人々が出てくるのと、根本的には同じことではないか。
確かにジャスミンゆまも浅慮だったし、あの形で「新人」として売られてプラスが出ることがないのでは?というのは、それこそ「ちょっと考えたらわかる」ことかもしれないが、それは彼女が一身に批判を受けなくてはいけない理由にはならない。
裏にいる「企画をした男性」を飛び越えて、女性側に批判がいく構図、しかも今回は「女子学生」という完全に庇護される側が、人間性という点から批判されるのは疑問だ。「やった側」の品性の話が一番にくるべきでは。
「そんなこと」は珍しくはない
私が女子大生だった時代でも、女友達経由での「●●さんっていう人の飲み会があるから来れる?」的なお誘いはあったし、何かしらのタイミングでお金を持っている男性とのつながりができた女子大生が、別の子達を呼ぶことで成立つ「女子大生版飲み会ねずみ講」的な仕組みはあった。
「そんな友達がいること自体がお前の所属が悪いことの証明だ」といわれたら「そうかもしれませんね」という感じなのだが、合コンとこれらの「接待」的な飲み会は境界線がグレーだ。
これが進んだ形は、港区女子的なギャラ飲みなどを目的とした、明確に金銭が絡んでくる「女衒」商売になるわけである。確かに、その道は今回のような「ちょっとした好奇心」のすぐ横にあり、それを心配する気持ちは私にもある。
しかし、「心配」と「説教」は違うし、いきなり品性を疑うという表現にいきつくのはいささか一足飛びなのでは・・・?という感想を持つ。
彼女たちは確かにリスク管理として甘かったといわれる部分はあろうが、馬鹿だなんだと叩いて「教えてやろう」的な悦にひたっている(ように見える)姿を見るのは気持ちがいいものではない。というか、キモチワルイ。
「説教」で気持ちがよくなるのは人間のバグ。
誰かを正義と正論の棒でぶん殴るのは、気持ちがいいのだ。これはたぶん人間に備え付けられたバグである。自分が絶対的優位に立って殴るのは気持ちがいい。
これは意識的に「気持ちよくなる可能性があることだ」「気持ちよくなってないか?」と振り返らないと、本当に誰でも陥ると思っている。
匿名性が担保されにくい現代は、リスク計算が必要なのは間違いない
売春>援助交際>ギャラ飲み・パパ活 と、名前がかわりつつも、男性から金銭を授受することを目的としたコミュニケーションは古くからある。
SNSやマッチングアプリといったものが当たり前になった今は、より「誰でも」アクセス可能という点で、「皆がやってるから」という理由で考え成しにはじめたことが、想像よりずっと危険な場所である可能性も高まってしまった。今回に代表されるような、望まない「身元バレ」の危険性もある。
アクセスは容易になったのに、リテラシーはより求められるといういびつな状況、かつ「デジタルネイティブ」と呼ばれる若者はSNSに自分たちの顔や所属を上げることに対する恐怖心が明らかに30代インターネット黎明期時代を生きていた私たちとは違う。
その点、現状の若者はより自分のプライバシーや所属の情報の防衛策に対して敏感であって欲しいし、何かのきっかけで自分が「炎上」の中心になる可能性には過敏すぎてもちょうどいいのは確かだと思う。
しかし、「危険性から守る」を盾にして、「馬鹿な女に教えてやる」という態度を隠さないというのは話が違う。今回は以上です。
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