皆さん逃げ恥見ていますか???
毎週いろいろな意味で悶えさせられる本作品ですが、私はゆりちゃんの台詞に一番もだもだします。上司として、働きマンとして、未婚独身女子として、もはやゆりちゃんをメッカとして崇めて礼拝しています。
特に9話の台詞にあるこの考えを自分の中に入れ込めるかどうかは、仕事・恋愛・結婚・生活すべての面で大きな分かれ道になると感じました。
が、その中でも今回は仕事にフォーカスして考えようと思います。
全てを深く知るのは無理。そう、仕事でもね!
「自分がやればもっとうまくできるのに!」を全面に出して、必要以上にタスクを巻き取るように行動するのは長期的に非常にマイナスに作用する、というのが持論です。「自分はこんなもん」という感覚を、自虐や卑下ではなくて理解できているかどうかで、はっきりと差がでることを強く感じているので、つらつらと書こうと思います。
私自身は「I am a hero!!!」みたいな絶対的自信、優秀さや専門スキルを有する人間ではなく「能力値が高い母集団の中で、劣っている自分がいかにパフォーマンスを出すか」という隙間産業でここまで生き抜いてきたタイプです。
ただ、最初から全体を俯瞰して最適解を考える人間だったかというとそうではなく、自分自身がGOサインを出せるレベルにならないと納得できなかったり、その満足のために自分の時間を削って完成度を上げるために四苦八苦したり、仕事に対して同じ分量で頑張ってくれないように見える(*ここ重要)周囲にイライラしたり…なーんてことは、もちろん経験があります。
こういった「自己中心的な完璧主義」を内包したままでいると、チーム仕事はもちろんのこと、上にいった時に下を困らせるパワハラ感が溢れる上司になります。
最高の選手が最高の指導者になれるわけではない
一般的には年齢を重ねるにつれ、現場よりもマネジメントロールへのシフトを求められます。そしてその多くは「年次が上がって役職につく」という形で移行していくので、「マネージャーとは?」を真摯に考え、自身の役割を柔軟に変えていけないために「プレイヤーとしては優秀だったけど…」という人材は生まれがち。
歳を取った時与えられるマネージャーという役割に対して、1年生という自覚でマネージャーになれるか?は非常に大きな分かれ道です。Twitterでグチグチ言っていたように、コントローラー気質の上司に、近年は非常に苦労をしました。
コントローラ-気質の上司が自分のキャパ全部無視して全部の案件に首つっこむんだけど、全部についてこられるわけでないので、たびたび案件背景や状況の説明をする場が生まれ現場が混乱するからもう黙っててほしい。
— ぱぴこ (@inucococo) November 2, 2016
ある程度から上に行くときに必要な能力って「まかせる」って能力だなって、あの人みてると思う。これは育てる力にもつながるので、育生力はマネージャーになりたいなら必須だなと。自分でやった方が早いことを、いかにトランスファーして将来的に自分が楽になることを見越せるかっていう。
— ぱぴこ (@inucococo) November 2, 2016
ある企業の役員が「自分が活躍することも楽しかったけど、自分が育てた・自分のチームにいた人間が違う場所で活躍する方が楽しくなった。自分は囲いたいタイプではなく、放出することで地味に自分のプレゼンスをあげてるよ。腹黒いから(笑)」と言ってたけど腹黒いんじゃなくて器と頭が違うんだね…
— ぱぴこ (@inucococo) November 2, 2016
プレイヤーであるときは「自分の行動=自分の成果」に直結しますが、マネジメントロールになればなるほど「自分の行動→チームの成長=自分の成果」になるわけです。その時に、他者が自分がやったことと同じ成果を出せないことを嘆き、ストレスを溜める人間は物事のスケーラビティを把握していないので、長期的に見てマイナスです。
自分のみで完結する仕事は予想以上に少ない
会社組織に所属する以上、チームとの協力はもちろん、他部署との協業、顧客との調整など、様々な関係調整力が高い人間が求められます。これがいわゆる「コミュニケーション能力が高い」人材です。
ビジネスで言われる「コミュニケーション能力」とは、別に初対面の人と仲良くすることでも、ウェイして飲むことでもなんでもなく、「仕事がどう動いており、誰がステークホルダーで、何がボトルネックになるか?」を理解し、それを解決できるような調整ができるか?またそれを考えられる人間か?という意味だと私は理解しています。
さて、これらを踏まえた上で「全部自分が」を脱し、将来を見越して自分の役にたつ人を育て、自分が楽になるためには何が必要かなのでしょうか?
- 「自分でやったほうが早いのに」を封印すること
- 下が能力を伸ばし組織の中で最適なの立ち振る舞いができるようになること
- スキルトランスファーをし、不足分を修正・アドバイスすること
- 今後のキャリアにおいての考え方の素地を作る手助けをすること
超要約すると全力で恩を売り、損して得取れですね!
ちなみにこれらの詳細は下記にまとめてあります。
経験値の差を考えてあげるって予想以上に重要よ……
「まかせる」恐怖を乗り越えないと成長はない
ここまでのことをまとめると、「全部自分で」が強く出るタイプの特徴は下記だと言えます。
- チームロールを度外視して、自分のパフォーマンスのみで生きてきた人
- 個人プレイのみで生きてきた故に、スキルトランスファー能力が著しくかけている人
- 長期視点の戦略を欠き、短期成果を求めてしまう人
これらが揃った上司の下では「新人から潰れ」て「優秀層は逃げ出す」という地獄絵図が広がります。この態度と思想で仕事をしていくと、頑張ってるのにウザイ人&ティーチングしかできず、コーチングができない人材として上に行けなくなります。
ぶっちゃけていうと、空気が読めず共感能力に乏しく感情的ってことなんですけど、この「感情的」っていうふわっとした言葉にまとめてうと学びがないなと思うので、今回こういったエントリにしてみました。
でも前提として「全てを知るのは無理」「全部を自分ではできない」「他人と自分は違う」という理解がないと、中途半端な知識で専門家に噛み付いたり、無駄に仕事を抱えてパンクしたり、すごく自己中心的に利害を訴えたりして、結果「頑張ってるけど空回りが痛い人」になる危険性が高まりますよね。
— ぱぴこ (@inucococo) December 16, 2016
「まかせる」ということは、非常に怖いことです。120になるかもしれないけど、マイナスになるかもしれない博打に見えます。しかし、それを博打にしないためにどうするか?を考える視点と能力こそが重要なんではないかと思います。
理想を体現できているかは正直わかりませんが(っていうか課題は山積み)、私自身はこうありたいとは思っています。
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感情のコントロールとは多くの場合、アンガーマネジメントができるかどうかの割合が大きいと考えます。日本ではあまり一般的ではありませんが、欧米ビジネスシーンにおいて、自身の感情マネジメントについて学ぶことはマネジメント層に求められる必須項目といえます。こーゆーのって資質もあるけど「どこまでそれが当たり前か」の方が重要だよね。
ゆりちゃんと風見さんの関係は一つの理想だよね。